会社倒産に巻き込まれた娘

会社経営に行詰り、金策に駆け回るものの銀行はおろか、CMで有名な某サラ金さえ金を貸付けてくれなくなって半年・・・。とうとう街金(高利貸し)にまで、手を出した私に残ったのは、多額の負債と家族(娘)だけになった。坂を転げ落ちる様に、堕落した私に追い討ちをかけるかのように「借金返せないなら、お前の娘を差し出せ」と、高利貸しの方が借家にまで押しかけます。私はどうしたらいいのでしょうか?娘は今年中学生に上がったばかりです。当然娘には、無関係ですので「それはできない。借金は何年かかっても必ず返済します」と断りました。すると、先程まで紳士的な態度で接していらした街金の社長が、急変されて「そんな何年も待てるわけないやろ!一括返済するか、娘を差し出すかどちらかや」と怒鳴りつけられました。私もパニックに陥ってしまい、会話を録音するなど、そこまで頭が回っておりませんでした。また、弁護士さんへも相談してみます。ただ、一番気になるのが娘の事です。ここ数日、怖そうな人が学校の前に立っていたとか娘から聞くと、気がきでありません。そんな事より、何時もなら夕方5時には帰宅する娘が、今やっと帰ってきました。部活動もやっておらず、何故か落ち込んだ表情のまま、私と顔を合わせようとしません。「どうした?学校で何かあったのか?」と問い詰めると急に泣き始め、手さげ鞄から娘と同年代位の女性の如何わしい写真を数枚手渡されました。「君のお父さんを助けたかったら、この子達のような仕事をしないか?」と言われたそうです。私は如何すれば良いのでしょうか?警察、弁護士に相談して法的手段をとるにしても、娘の安全が保障されるかが心配です。昨日帰宅した娘の悲痛な訴えを聞いて、居てもたってもおれず、娘と一緒に警察署に駆け込みました。このままでは、今以上に娘を苦しめてしまうと思ったからです。結果から話すと、街金融の6名は詐欺・監禁罪、脅迫罪、婦女暴行罪で容疑者として身柄を拘束され、金融会社に対しては金利法違反、脅迫罪の容疑で社長を任意で事情聴取するそうです。婦警さんの勧めで、娘は早朝病院に検査入院しています。これから先に記した内容は、調書作成する際に婦警さんと娘のやり取りで、私の記憶に残ったのを(文章としてではなく断片的に)書いていきます。警察で大筋を話すと、事情を聞いた警察官が「調書を作成しますから、こちらの部屋へ」と通され、暫くして40歳代の婦警さんと先程の警官が現れました。婦警さんが娘に、「今から調書を取るから、質問に答えてね。異性が居て話し難かったら、お父さんや刑事さんに出て(部屋から)もらうから」と言うと、娘は首を横に振り、私も同席することになりました。内容はショッキングなものでした。2名の若い男(高利貸し)が、校門の前で待っていたそうです。娘が校門から出ると近寄ってきて、私の名前と私がその金融会社にいるから、娘を連れて来てくれるよう頼まれたと嘘をつき車に乗せ、埠頭の倉庫に連れ込まれた。車の中には、中年の男が後部座席に座っていて、その隣に娘、そして、若い男の一人が娘の横に座り、サンドイッチ状態で倉庫まで移動したそうです。(調書には、より詳しくその時の情景を書く必要があるとかで、事細かく聞いていた)その移動中に、衣類(制服)の上から体を触られ、太腿やパンツの中にまで手を入れられた。娘が拒むと、「父親が金返さないのが悪い!嫌なら父親に保険金を掛けて殺す。」と脅迫され怖くて我慢していた。娘は終始俯いたまま小声ででボソボソと婦警さんの質問に答えていました。倉庫に着くと、ゴチャゴチャとダンボールが山積みされた間を、男二人(後部座席にいた)が娘の腕を引き、中に連れ込まれた。(倉庫内に、学校の教室の半分位の広さの部屋があるらしい)その部屋には、男が3人待っていた。計5人の男が娘を取り囲み、昨日持ち帰った如何わしい写真を見せて、「君のお父さんを助けたかったら、この子達のような仕事をしないか?」と何度も迫られ、それだけは絶対に嫌だと断った。(その写真は証拠物件として、調書作成前に提出しています)娘が私に合せてほしいと頼むと、「合せてやるから、服を脱いで写真を撮らせろ。言うこと聞かないなら、一生父親には合せない」と言われ、娘は男の指示に従ったそうです。写真に何枚も撮られ、ビデオカメラで撮影され、男の人に体を触られ、部屋の中には、パイプ製のベッドまで置かれていて、ベッドの上でHなポーズを要求された。「それ以上の事は要求されなかったの?あの写真(提出した)みたいな事とか?」婦警さんの問いに、コクンと頷く娘。私の横で項垂れていた娘の横顔は、頬をつたって涙が零れ落ち、ギュッと硬く握った小さなこぶしの上にポタッ・・ポタッっと落ちていました。「ちょっと休憩しましょう。○○ちゃん(娘の名)は私と一緒にココに残ってて下さい。お父さんにも、2、3伺いますので別の部屋に移っていただいて宜しいですか?」と、婦警さんに言われ、同室にいた警官と別の部屋に移りました。私への質疑内容としては、この様な事に至った経緯、娘への卑劣な行為をした人物の心当たりがあるか(街金融)、刑事(事件)を除くその後処置(警察は民事不介入の為、詳しくは説明できないが、金利法に違反しているので弁護士に相談したほうがよい)などを話し、犯人に対しては上記に書いた罪が適用される事を説明された。1時間程して、婦警さんに呼ばれ娘のいる部屋へ。「○○ちゃん、今度はお父さんと話があるから、廊下で待っててくれる。10分位で済むから」と婦警さんが言うと、娘は深々と頭を下げ部屋を出て行きました。婦警さんは娘が出て行くのを確認すると、軽く深呼吸をして、ゆっくりと感情を交えず客観的な事実のみを正確に説明し始めました。1.倉庫から自宅への移動手段として車が使用されており、その車内で被害者(娘)は衣類を纏う事を禁じられた。(座る配置は倉庫に連れ去られる時と同様)その間、胸部や臀部、下腹部を触られた。2.被害者の裸体を撮影した写真やビデオテープが、インターネットやその類で商売する組織を経由して、一般人に流失する(目にとまる)恐れがある。3.被害者本人は否定しているが、レイプされた疑いがあります。心身ともにケアが必要と思えますので、明日にでも、病院へ連れて行ってください。最後に、「お嬢さんは確りした方です。お父さんも苦労されているとは思いますが、先ずはお嬢さんの事を第一に考えてください。」と言われ、私は深々と頭を下げました。