特別な、存在

常連の女子高生A子はいつも雑記ノートに色々書いていた。そしてBという男の文章を見つける。AとB、交換日記のような交流は続くものの、A子のいる時間(20時まで)にはBは来ない。顔が見えないまま半年が経つ。店員だった私は、A子から相談をよく受けた。『Bさんってどんな人?』『どんなゲームやってるの?』Bが格闘ゲームをやっていると聞いたA子は、慣れない手で格闘ゲームに挑戦していた。そしてノートではBがA子に色々アドバイスなんかをしていた。…実は、Bってのは俺だったんだ。ノートは閉店後に書いていた。それを明かした時のA子の顔は忘れられない。そんなA子も、今は俺の妻。