酔った姉

酔って帰ってきた姉に付き合わされて今日も無理矢理飲まされた。いつも仕事のグチを延々と聞かされるんだけど今日は何故だか口数が少ない。何杯目だろうか、姉はコップにビールをつぎながら言った。「アンタさぁ、昔っから肌は綺麗だよねー」テーブルの向かいから体を伸ばして飲めない酒で真っ赤になった俺の頬を触ってきた。冷たい手が、心地よかった。「あっついねー、まっかだねぇ。髪もねえ、艶々して綺麗だねー」カラんできた。こりゃ相当酔ってるな…姉はニコニコしながら俺の頭を撫で続けた。「あ〜かわいいなぁ、たまんないなぁ」姉はテーブル越しに俺を抱き締めた。座っていた俺の顔は胸元に押しつけられた。柔らかな胸をはさんでアルコールで早まる姉の鼓動が聞こえる。自分の鼓動もそれに重なるように高鳴ってきた。抱き寄せられた拍子に倒れたコップを俺が拾おうとすると、「こらっコッチ見ろっ」顔をつかまれて無理矢理姉の方に向けさせられた。「かわいい。かわいいなぁ」ぶつぶつと酒臭い息を顔に吹き掛けられてさすがに「いいかげんにしろよ」と言い掛けた時、姉は俺の口をくわえこむように唇を重ねてきた。ちゅぱちゅぱと音を立てながら、唇が俺の口先をもてあそぶ。あまりのことに俺は驚いて固まってしまい、それをいいことに姉は続けた。舌先で閉じた口をこじ開けられて、温かい息と一緒に姉のすべてが自分の中に流れ込んでくるような気がした。