エロ本の使い道

これは自分が20歳、妹が16歳のときの話。自分の実家はマンションの高い階にあって、自分の部屋の外がベランダになっていることもあって、自分はよく景色を眺めながらタバコを吸ってた。それで、その日もぽけーと外の風にあたってたんだけど、その時、誰かが俺の部屋に入ってくる音が聞こえてきた。自分がチラッと見ると、妹だった。俺はベランダにいたんだけど、ちょうどその自分の部屋から見て死角になる位置にいたから、妹は気づいてなかった。それで、妹が勝手に俺の部屋に入ってきて何するんだろうって思って、こっそり外から覗いてたら、俺のエロ関係の隠し場所であるベッドの下に手を入れてもぞもぞしてた。結構清純系の妹だったから、その光景はちょっとショックだった。で、そいつは2、3冊俺のエロ本を手にしたんだ。で、その時、その妹とこっそりベランダから覗いてた俺との目があった。妹は、よく漫画であるような感じでばさばさっと持ってたエロ本を床に落とした。妹は、俺を見て直立不動という感じで立ち尽くしてた。俺はその時、「さて…どうしたものか」と不思議なほど冷静だった。とりあえず思ったことは、自分の妹というのは兄の自分が言うのもなんだけど、結構人間ができている可愛いヤツ(容姿もかなり)だったので、あんまり傷つけてしまうようなことにはしたくないっていうことだった。それで、俺はベランダから俺の部屋に入った。自分は無言。妹は何言ってるかよくわからないけど、声を出してた気がする。俺は妹が落としたエロ本を拾って、それをさっとヤツに渡した。もちろん妹はきょとん顔。「別に持ってってもいいけど、ちゃんと返せよ」「えっ?」「そうだ、よかったら俺の秘蔵のビデオも持ってくか?」「い、いや、いいよ…」「まあ、こんなものはいつでも貸してやるから遠慮するな」「…う、うん……」というようなやり取りをした。とにかくその時は、妹に恥ずかしいっていう思いをさせたくないっていうことばかり意識にあった。今思えば、18歳未満の妹に言うべきことじゃなかったんだけどね。まあ、その日はそれで何事もなかった。(勿論、妹はそのままエロ本を持って出て行った)妹は控えめな性格の人間だから、その出来事があった後でも、「お兄ちゃん、エッチな本貸して…」などといってくるはずもなく、ちょっとそれが残念だった。けど、俺のいないときに持ち出してるってことは、ベッドの下の本の位置がずれてることから明らかだった。まあそれでいいかと、自分は特に気にもしなかった。けどそれ以来、何か自分に対する妹の態度が微妙におかしかった。まあ、後々ゆっくりと考えてみたら、エロ本を持っていく=オナニーしてるに等しいわけだから、妹がオナニーしてるっていうことを俺が知っているということになるわけだ。そんな状況で、あの妹が俺に今まで通り接しづらいというのは当たり前な話だ。何とか、そういうもやもやをなくしたいと思った。俺は、オナニーっていうものは別にやましいものでも何でもないと思ってたから、(さすがに人に見られるのは勘弁だが)とにかく、その辺のことを伝えたいと思った。んで、その決心をした日、大学の講義終わって昼過ぎに帰ってきて、妹が帰ってくるのを待った。それで、帰ってくるなり、自分の部屋に呼び寄せた。妹は「うん」ってな感じで普通に入ってきた。元々、仲はそこそこいい兄妹だから、お互いの部屋に入ったりというのは全然日常的なことだった。けどあれ以来、目を合わせる回数が減っていた。その時も、妹はちらちら俺を見ては目をそむけるというような感じだった。俺は机のイスに座って、妹はベッドに座った。それで、俺は切り出した。「あのさ、俺たくさんエロ本やらAVやら持ってるけど、それって何のために持ってるのかわかるよな?」「………」いきなりこんな話題をふったもんだから、妹はうつむいた。「早い話がオナニーのためだよ」「………」まあ、「もう、何言ってるのよ馬鹿兄!!」とでも言われたほうが楽だったかもしれないけど、うちの妹はそういうこと言うタイプじゃなかったんで…。「まあ、○○(妹の名前)くらいの年じゃオナニーなんて、ただ淫猥っつーか、いやらしい響きしかないかもしれないけど、オナニーっていうのは性というものを知るためにはすごく大切な行いなんだぞ」「………」妹はちょっと興味を持ったような顔をした気がした。「男は性欲の処理っていう意味合いが大きいかもしれないけど、まあ男でも女でも性器をどうしたらどうなるのか、気持ちよくなるのか、といったことを知るのはすごく大切なことなんだ。それに性的快感を味わうっていうことはやましいことでもなんでもなく、自分を満たすための人間に与えられた一つの手段なんだ。それは、とても尊いものだし、恥ずかしがることでもないし、至って当たり前のことなんだよ」っていうような感じのことを言った気がする。妹は黙って聞いてた。まあ妹に性のことについてここまで赤裸々に語るっていうのは、結構きついものだった。けどまあやっぱり、兄の自分が泥をかぶらないといけないっていうのは思ったんだよね。それで俺は言いたいことを言い終わったんで、妹が何かしゃべるまで妹を見てた。んで、ちょっとたってから妹が口を開いた。「…うん、わかった。…話もういい?宿題しないと…」そんな返事で、何か味気ないなあなんて思ったけど、まあ何か感じてくれている様子だったから、「ああ」って笑顔で答えた。まあ、変な空気だったから、すぐにでもそっから出たかっただろうしね。それで、妹は部屋を出ようとしたんだ。けどその時、「…ありがとう。お兄ちゃん」ちょっと控えめな笑顔だった。けど、それはいつも通り俺をじっと見て言ってくれた。ああ、これで元通りだって思った。一時の覚悟をしてよかったと思った。それでまあ、元通りの普通の兄妹になった…。…と思ったんだけど、元通りというわけじゃなかった。少しずつだけど、妹がだんだん頻繁に、自分にじゃれついてくるようになった。まあ、ああいう話を真剣にしたっていうことで、妹は俺に対してより打ち解けれるようになったんだと思う。それから、一緒にいる時間が増えた。一緒にテレビ見たり、ゲームしたり、勉強教えてやったり、二人でどこかに行ったり。その時自分は彼女と別れたばかりで、空いた時間が多かったから、そういう時間のほとんどを妹と過ごすようになった。そんで、手を組んで胸を押し付けてきたり、俺の部屋でねっころがってパンツ見えてるとかザラになってきた。すごく顔を近くに寄せてくるから、あんまり可愛いんでこのままキスしちゃおうかっていうシチュになることも度々。けどやっぱり、他の女性の抱くそれとは違うんだよね。性欲にまみれた欲情じゃなくて…、えっと、何か説明しにくいけど。まだ娘はいないけど、娘を愛する気持ちと似ているかもしれない。妹もその時16歳くらいだから、年頃だし、付き合ってるヤツがいてもよかったんだけど、その時の妹はまだそういう気はないみたいだった。それがその時の俺はすげー嬉しかった。俺はその頃から、妹が誰かと付き合って欲しくないと切実に願うようになってたようだ。妹に近づこうとする奴がいたら片っ端からけちらしてやるってくらい。なんだろう、シスコンの一種かもしれない。それは今も変わらないけどね。っていうか、こんなダラダラ書いておいて、あんまりスレタイに沿ってないね。あと、密かに期待していた人も、そーいう方向の話じゃなくて勘弁っす。