初めて恋と呼べる恋

オレがちょうど中2の頃……つまり去年の今頃、オレには好きな人がいました。ここではAとしておきましょうか。彼女のコトを想いはじめたのは……正直、中学の入学式からですw性格は明るいほうではない人……ってかむしろ静かだったので、クラスでは目立つコトのない人だったんです。でも、その静かな性格が当時の自分にはちょっとツボで、Aの肌の白さは学年でも1、2を争えるほど。そして当時の自分にとって何より魅力的だったのが、「飾らない素朴さ」。こういうとヘンですが、つまり髪の毛もサラサラで括ったりもせず、スカートも短くなく長くなくという「適度」な人にとても魅力を感じていたんですよ。で。そんな人に出会えたはいいものの、一年のときはクラスでひどいイジメにあい(w)、Aと一言も話した記憶がありませんでした。しかし二年のクラスがとても良い上、中1では消滅していた小学校時代の親友が復活したので、クラスのヤツといくらでも話せるようになりました。しかも偶然か腐れ縁か、Aとは再び同じクラスになっていたんです。そして偶然はさらに続き、当時仲のよかった女子YとO、そして男子のTはいつもOの席に集まって話していたのですが、Aの席はそこのちょうどまん前だったんです。なのでみんな(Oたち)が見ていないとき、あるいはTと二人で話しているとき、超さりげなくAに話しかけていくようになりました。そして二年も終わりに近づいた、去年の今から一ヶ月以上前、親友の間で好きな人の話題が突出。そこでオレは素直に「オレ、Aがけっこう気になるねん」と言いました。すると「オレのクラスに……オレはあんまり好きじゃないねんけど、向こうがけっこう話しかけてくる小川(Oにすると紛らわしいんで言いましょうw)ってヤツに、Aの好きな人聞いてみるわ。万が一ってコトがあるかも知れんやん」と、ちょっとクール系のYがそう言ってくれたんです。別にオレはどうでもよかったんで、軽い気持ちでそれをオッケーしたんです。そん時は特に何も期待してなかったし、正直Yが小川に聞いてくれるとも思っていませんでした。でも、彼はちゃんと聞いてくれた上、驚くような報告をしてくれたんです。……すみません、展開バレッバレですよねwそうです、彼はオレを呼び出して、ちょっと赤みがかった太陽が照らす教室で「Yu!!聞いて倒れるなよ、Aが前までお前のコト好きやってんて!!」聞いた瞬間、倒れるかと思いました。もちろんそんなコトはおくびにも出していない「つもり」だったんですが、たぶん顔は思いっきりニヤけてたと思いますw運動も別に得意じゃないし(当時は)、カッコよくもない。そんなオレに気持ちを注いでくれた最初の人、それが桜満開の入学式からずーっと思い続けてきたAだったんです。でもなんだかホントのコトなのか気になり、さりげなく彼女と話しているとき、「MD聞く?」とか言ってセーターに忍び込ませていたイヤホンをAの耳に当て、ちょっと耳引っ張ってみたんですw普通に友達とかなら「何すんねん!w」ぐらいは言われて不思議じゃないのに、彼女は恥ずかしげに顔を伏せて、白い頬に少し赤みが差しました。なんか、そのときのその表情が今でも忘れられませんwそんな一件があり、彼女からの気持ちは疑う余地がなくなりました。それからしばらくして、迎えた2月17日(火)の5時間目と6時間目の間の休み時間。教室で告白しました。かなり重度のヘタレだったオレは友達の助けをかなり借りたんですが、最後は自分でやり遂げなきゃ意味がないと思いました。だから、周りの目とか、そんなの気にしてられませんでした。「オレ……さ、お前のコト好きやったんよ。もしお前さえよければさ、オレと付き合ってくれへん?」彼女の机の傍に立って、オレは言いました。何回噛んだか分かりません。どれだけ顔が赤かったか分かりません。間合い理性とか、そんなのも全部吹っ飛んでました。でも自分なりに知恵を絞った告白の言葉ですwその言葉を聞いた彼女は、あのイヤホンのときのように、別に授業中でもないのにシャーペンを握り、それをじっと見てオレの方を極力見ないようにしながら「私も……好きです」って言ってくれました。頬が赤かったし、眼は焦点定まってないので、恥ずかしがってるの丸分かりですwこれも忘れられない光景で、ちょっとドキッときましたwと言いつつ、オレもあまりに恥ずかしかったので「ありがとう」としか言えずに、同じクラスの親友Kの元に行きました(逃げましたw)。その日の学校からの帰り、去年Aの顔とともに見た桜は、再びうっすらとした桃色のつぼみを付けていました。