「不器用だから助けてくれ」

私には今好きな人がいる。去年から好きな人だ。こんな書き方をしていればみんな気付くかも知れないが、片想い、しかも相手は彼氏持ちだ。私は人間嫌い、と言うより人間不信で対人恐怖症気味だ。人を見れば『敵』だと思い、ガキ臭いことに殺気を振りまいて生きてきた。『隙を見せるな、相手が私を傷付けようとするのを、1秒でも早く感じ取り、1秒でも早く叩き潰せ』『怒りに視界を曇らすことも、悲しみに惑わされることも、痛みに膝を折ることにも価値はない、敵は叩き潰せ』心の中でいつもそう呟いていた。しかし、このままの性格は社会に出てから不利になると思い、サークルに入って人付き合いをカタチだけでも出来るようにしようとする。そこに彼女はいた。私の下らない、本当につまらない冗談にあの人はコロコロと表情を変えた。私が少しでも辛い事があったと話すと、私が罪悪感を感じるほど悲しそうな顔をして心配してくれた。その人はどちらかと言うとあまり聡明とは言い難い。ならば、私があの人の迂闊さが招く不幸をあの人から退けてやる。私はあの人がいてくれれば幸せだ。私にはあの人意外、居場所となる人がいない。集団などわずらわしいだけだと思っていた、孤独の中にある冷たい向かい風だけが真実だと思っていた。が、あの人が人のぬくもりを与え合う喜びを私に教えた所為で、あの人にはもう付き合っている男がいると知った所為で私は今、孤独に震えるしか出来ない。サークルの親友にそのことを話した。私にしてみれば初めての親友で、しどろもどろしながらだったが親友は「応援してやる」と言ってくれた。私は嬉しかった。親友とはなんといい物だろうかと。それから私はあの人とくだらないことでいつも話して笑っていた...が。親友が妙に私とあの人の会話の邪魔をする。話に割り込み、話しを折り、私をはじき出す。...........クソヤロウが..............しばらく経ってから、親友の手口を遠まわしに親友に言ったところ、突如不機嫌になるアイツ。.........ゴミが。長すぎて省略されてしまいました。読みにくくなってすみません。今年の夏、サークル仲間でキャンプに行った。私とあの人と親友とで出し物でジャグリングをしようと企画した。アイツに対する対抗手段を持たない私の好感度はかなり下がっていた。アイツさえいなければ。私はあの人が好きだ。性欲をまったく含まないと言えば嘘になる。だが、私はあの人がいなければ辛い。不器用だからうまい言葉が出て来ないのが口惜しい。私があの人の心の支えになるから、あの人には私を愛して貰いたい。だが、アイツはただ「なんとなく」だ。私は明日テストだと言うのにテスト勉強もせずに練習に打ち込んだ。あの人を感動させたかった。あの人を失望させ、傷付け、嫌われたくなかった。ハナっからできるアイツ(自分が出来るからとあいつが提案した)はさっさと練習を切り上げ、司会担当のあの人と部屋に戻る。くやしい。早く完璧にして私もあの人のそばに行きたい。悔しくて私は泣きながら練習をした。キャンプの出し物の直前まで、私は未だしていない打ち合わせをしようとあの人とアイツに声をかけるが話を聞かない。バンガローの中で練習しながら、うつむきながら泣くと眼鏡に涙があっという間に溜まった。顔を上げれば、パタタタっと涙が眼鏡から落ちる音。押さえても押さえても漏れる嗚咽。私の様子がおかしいことを察知した先輩に「盛り下がることはやめよ?な?みんな悲しむから」と、止められてなかったらあの人もアイツもサークルにいることが出来なくなるほどみんなの前でけなしてやるところだった。2ch慣れしていないで、板を汚してしまってすみません。でも、私はこのことを誰かに知ってもらいたい。しばらく経って、好感度の下がった私に対して冷たくなったあの人のことを「性格が変わってしまった」と勘違いした私は「諦める」とあいつに言った。上機嫌になるアイツ。それ以来、あの人と話さないようにしてそれになれてきたころ、もう好感度も戻って普通になら話せるかな?と思ったら、妙にあの人が人懐っこい。やめてくれ、俺は諦めようとしているんだ。と、心の中で叫んでもあの人は甘えるように私に話し掛けてくる。くそったれ。今年の獅子座流星群のとき、あの人から私にメールが来る「そっちはどお?」だそうな。ちなみにその時あの人は彼氏のそばにいた。私はアイツの車の助手席で返事を打つ。いきなり私の携帯電話を奪いメール内容を見るアイツ。「こんな文章じゃだめだ」と言ってくるアイツ。自身満々メールの文章のコツをのたまうアイツ。そうか、俺が敗戦宣告を出したから油断してるのか、とそれを期に体制を立て直した。メールの返事が返ってくる確率が一気に上がる。会話の量もどんどん上がる。今でもあの人に彼氏はいる。が、私とアイツの戦力は私のほうが勝っている気がする(そう思いこんでいるだけかも知れない)いつだったかサークル仲間で行った旅行。車の中でアイツと私とあの人で『コクる時の練習』をすることになった。平凡な言葉を言うアイツ。私の口からは、なにも考えていないのに言葉が出た「不器用だから助けてくれ」場が盛りあがっただけで終わった。顔を伏せて照れながらも言葉に(私の気持ちに気付いて、ではない)感動するあの人。大騒ぎするアイツ。自分が何を言ったか分かってない私。ここであの人に対し告白すれば私の気持ちは伝わらないまでも、気付いては貰えるだろう。しかし私はそれをしない。真正面からいいたい。あの人に、私の腕の中にいつまでも居てもらいたい。自分から離れてしまわないかと心配しなければならない男など捨てておれと来てくれ!!居場所が欲しいならくれてやる!!文字通り命がけで愛してやる!!だから俺を愛してくれ!!愛してくれ。ハタチでこんなことを抜かすのは小賢しいと思われるかも知れないが、あんたが居ない人生など考えれない。私の胸に詰まっている貴女への想いはあまりにも大きくて重い。あんたが居ないと……死んでしまいそうだ。