バカップル

ダブルベットでイチャつく男と女ひとりは森田直樹(仮名)もうひとりは青山遼子(仮名)ふたりとも、俺と同じクラスで同じ班の級友だ。直樹と遼子はイチャつくというには、あまりにも激しい抱擁をくりかえし今にも本番に突入しそうな勢いでその様子を俺、安藤啓太(仮名)とやっぱり同じクラスで同じ班の上原祐子(仮名)はわずかに開いたドアの隙間からのぞき見ている。俺と祐子は級友の大胆な行為を見せ付けられて混乱し動けなくなっていた。それは、高2の冬のある日曜日の出来事だった・・・上記の四人、俺、安藤啓太と森田直樹そして青山遼子と上原祐子は同じクラスの同じ班のメンバーだ。俺、安藤啓太は不良というほどでは無いが真面目でも無く勉強も背格好も平均並で運動も特別上手い訳では無いというごく普通の高校生だ。そんな中途半端な俺にも一つだけ誰とでも初対面からすぐに仲良くなれるという特技があった。小学生のころ転校が多かったせいで自然と身に付いた技だがこれは今でも十分に役に立っていて、男女問わず友達は多い方だと思う。そのお陰で、恋愛相談にのらされる事が多く「あの子とデートしたいから話をつけてくれ」みたいな感じで橋渡し役をやらされる事が多々あったが俺自身の恋愛は不作極まりなかった。だから今まで、残念ながらエッチはもちろんの事、女の子と付き合ったことすら無い。実は中2の夏にフラれた事があって、それが結構なトラウマになっていたのだ。その彼女は、同じクラスの明るくて元気な女の子で俺たちはふたりきりで放課後遅くまで話をするような仲になり映画を見にいったり遊んだりもしていた。そういう事を何度か繰り返した後、俺は「俺たち、付き合おうよ」と彼女に告白した。それは、一般的な恋愛話をした後にその流れをくんでのものだったが俺はかなり根性入れて真剣に告白した・・・・・・つもりだった。「きゃはははっ!! ウケるー!!あんどーの告白 ってそんな感じなの!!」と、バカウケしまくる彼女。「ありえない!!」とまで言われ、全く相手にされず、俺はあえなく撃沈した。それにしても「断るにしても他に言い方があるだろう、冗談みたいにして受け流すってどうなんだよ」と俺はその夜、ヘコんで眠れなかったのだが、本当にヘコんだのは翌日学校についてからだった。彼女が仲間と昨日の話で盛り上がっていたのだ。俺は倒れこみそうになったが、よく話を聞くと彼女は本当にあの告白が冗談だと思っている様子だった。確かに俺は冗談はよく言う、際どい話もする、からかう事も多いでも本当の告白か冗談かは普通、分かりそうなものだ。結局その後、俺が何度も本気だと言えば言うほど、告白の重みは無くなるばかりでみんなから軽い男というレッテルを貼られて今にいたる。森田直樹は中小企業の社長の息子で不景気な世の中でも意外と羽振りが良いらしくいかにも高そうな洋服を身につけている。彼は社長の息子であるにもかかわらず、とにかく腰が低くい上目が細く垂れていたので妙な愛嬌があり、クラス中に何となく愛される不思議な存在だった。(彼のあだ名はエビス、見た目が某タレントに似ていたから)青山遼子は医者の娘で直樹以上の本当のお金持ち(直樹の金持ち度は微妙だった)でいかにもお嬢様といった独特のオーラを発している。校則違反もなんのその、ウエーブのかかったロングヘアーは毎日、きっちりとセットされていて、高そうなアクセサリーも身に付けていた。スタイルも良くモデルのような身長にグラビアアイドル並の巨乳こうなると男どもが放っておかないところだが実際はそうでもなかった。なぜなら顔も頭もお世辞にも良いとは言えず何より性格が、どSでわがまま極まりなかったからだ。(彼女のあだ名は乙姫、お嬢様だけどエラが張っていたので)このふたりが、どういう経緯で付き合いだしたのかは分からないが(SとMで相性が良かったという噂)とにかく典型的なバカップルで遼子が命ずるまま直樹は奉仕し続けている。その奉仕だが、始めはカバンを持つ程度だったのがそのうち肩をもむ、腕や足のマッサージとなり挙句の果てには、どうどうと胸を揉むようになっていた。このエロエロバカップルぶりを学校で臆面も無く演じ切るのだからたちが悪い。ある時など、授業中に手を握り合ってイチャついているのを理科教師(38才独身)が見つけてマジギレしていた。クラスの連中も迷惑して、あきれ返るほどだったが実は一番迷惑していたのは俺ともう一人の同じ班の子、上原祐子だった。その上原祐子だが、彼女はクラス委員を三学期連続で務める、絵にかいたような優等生だ。成績は当然のごとく学年でトップクラスメガネもかけていたし、長い髪を校則どおり三つ網にして二つに分けている。見た目はかなり地味で、性格もおとなしくて真面目休み時間も友達と楽しくおしゃべりしているというよりは教師の手伝いをしている印象の方が強い。ただ、小さくて華奢な身体の割りにスタイルが良く、肌も透き通るように白くて綺麗な上クールな雰囲気のきりりとした顔も可愛かったので男子には結構人気があった。俺も何度か彼女との橋渡しをしてくれと頼まれた事があったのでその人気は間違いないものだったが、俺はどうにも彼女が苦手だったので全部断っていた。それというのも、彼女とは会話が続かないのだ。例えば俺が「昨日のドラマ面白かったよね」と話をふっても「うん、そうだね」だけで終わってしまう。「おはよう」と挨拶しても頷くだけなのだ。彼女は完全に無視をする訳では無いがあきらかにコミュニケーションを拒否していて、俺にはそれが「あんた達みたいな馬鹿は相手にしてられないの」と言っているように思えて苦手を通り越して嫌いに近い感情を持っていた。さっき、彼女は人気があったと書いたが、その人気の理由はつんとした感じがたまらないというようなものが多かったので俺の感じ方はそうおかしいものでは無いと思う。上原祐子は、俺を含むくラスの連中との間に一線を引いていて彼女の周りには常に見えない壁があった。・・・さて、くじ引きにより、高2の三学期からこの四人で班を組むことになったのだがこれが本当に大変な事だった。班単位での活動は色々あって、必ず毎日やらなくてはいけない事のひとつに掃除があった。俺たちの班は学校の東門の掃除だったのだがまずあのエロエロバカップルは全く役に立たない。何度言っても掃除をサボる。たまに来たとしてもイチャつくばっかりでホウキ一つ握ろうとはしない。エビスこと森田直樹は注意すると「ごめん、今日は必ずするから、ほんとゴメン」と謝るのだが、その場限りの事でちゃんとやったためしは無い。一方乙姫こと青山遼子にいたっては「なんであたしがそんな事しなくちゃいけない の、あんたやっといてよ」とこっちをマジギレさせんばかりのコメントを残して去っていく。こんなふたりを相手にしていると俺も掃除するのが馬鹿らしくなってきて、サボろうかという気持ちになってくるのだが優等生の上原祐子はひとりでもきちっと掃除をして帰るので、いくら苦手な女の子とはいえ彼女ひとりに押し付けるわけにも行かず俺はしぶしぶ掃除を手伝っていた。掃除だけではない、日直も班単位だったのでプリントの配布やらゴミ捨てやら黒板消しやら面倒な仕事は全部、俺と上原とでやらなければならなかった。それでも上原は黙って黙々と仕事をこなす。俺は彼女と行動を共にする事が多くなったが、もちろん会話など無い。何度話し掛けても、帰って来る答えはごく短い事務的なもので楽しくおしゃべりするなどという事は全く無かった。役立たずのバカップルにクールすぎて会話が成り立たない優等生。俺はある意味バツゲームの様なこの状況に自分のくじ運の無さを呪った。そんな憂鬱な状態が二週間ほど続いて俺のフラストレーションは限界に達していた。その日、いつものようにふたりで掃除をしていた時、あまりにも続かない会話に痺れをきらした俺は、いままで聞きたかったけどずっと遠慮してきた事に触れてみた。「あの、上原さん、俺と話すの嫌かな・・・ウ ザいんなら黙るけど」「ううん・・・そんな事は無いけど」「でも、いっつも俺の方ばっか、しゃべってる し、話し掛けるなってオーラ出してるでしょ 何かすごく傷つくんだけど、その雰囲気」俺はあまり親しくない相手とは当り障りの無い世間話しかしない事にしている。そういう会話で、ある程度近づいた後に深い話に少しずつ持っていく。当たり前の事だが、それが数回の転校で学んだ仲良くなる為のテクニックで俺は誰に対しても、このルールを守ってきた。でもその日、俺は初めてルールを破り確信に近い質問を彼女に浴びせた。俺は、彼女が怒っても仕方ない、どうせ彼女とは仲良くなれそうに無いという諦めの気持ちと、彼女の態度にイライラしていたせいもあってかなりヤケクソ気味だった。俺は、彼女の答えはどうせクールなものでふたりの関係は完全に破綻をきたすと思っていた。・・・・・・ところがそうはならなかった。上原祐子は真っ赤になってうつむくと「い、嫌な思いさせたのなら、ごめんなさい わ、私、人見知りが激しくって・・・」と黙ってしまう。それはこれまで、つんとすました感じだった彼女からは想像出来ない動揺ぶりで予想してた答えとまるで違う意外な反応に、俺のほうがめんくらってしまって「あの・・・どう言う事?」と続けて聞いていた。それから数十秒の沈黙の後、彼女は一言一言選ぶように自分の事を話してくれた。「私、子供の時から本当に人見知りが激しくて・・・治さなきゃって思ってるんだけど 人と話すと・・・すごく緊張して 何てしゃべろう、次はどう答えなきゃって思ったら頭の中がぐるぐるまわって言葉が 出てこなくなって・・・だから・・・」真っ赤になって一生懸命話す彼女の姿に冷たい雰囲気の優等生の面影は無い。どうやら俺の彼女に対する印象は誤解だらけだったようで彼女はお高く止まっている訳では無く、かなりシャイな女の子だったのだ。・・・・・・それからというもの俺はこのふたりの時間が苦痛じゃなくなった。あいかわらず会話は一方通行だったが最近では彼女も短い答えの後笑ってくれたりするので俺は、はりきって今まで以上に話し掛けるようになっていた。断っておくが別に彼女に気があった訳では無い俺は誰とでもコミニュケーションを大事にするそういう性分だったので、ごく自然な流れだったと思う。ただ、あの事件を境に俺は彼女に強烈に惹かれだす。その事件は俺の上原への誤解が解けて三週間後に起こった。いつものようにバカップルはサボり俺と上原のふたりで東門の掃除をしていた時だった。偶然そこを通りかかった生活指導の教師(31才)が側溝に落ちていたタバコを見つけたらしくたまたま一番近くで掃除をしていた俺を犯人と決め付けて、いきなり髪の毛を鷲づかみにされて、その場に正座させられた。確かに俺の髪の色は微妙に茶色い優等生か不良かと言われれば後者だ・・・でもこれはあまりに酷すぎるだろう。俺はタバコなんか吸ってなかったし、悪い事も何一つやってない。ところが、俺がどんなに説明してもその教師は「言い訳するな!!」などとふざけた事を言ってまったく取り合ってもくれない。それどころか、俺の持っていたホウキの柄で俺を小突きながら説教を始めた。俺がそれまでの人生で一番ヘコんだ瞬間だった。無実の罪で停学!? 親に何て言おう・・・なんなんだこの教師、本当に吸ってないのに・・・色々な悲惨な光景が頭の中で渦を巻いて、泣きそうになった。そんな時だった、今まで聞いた事の無い上原祐子の大きな声。もの凄い剣幕で生活指導の教師に食って掛かる上原。「私はずっと安東くんと一緒にいました!!彼はタバコなんか吸っていません!! 何の証拠も無いのに決め付けるなんて酷いじゃないですか!!」彼女は怒りをあらわにして一生懸命に抗議していて、俺はその光景を呆然と見ていた。さすがの生活指導の教師も、優等生の猛烈な抗議を受けて慌てたのか「本当に吸ってないんだな」と俺に聞いてきた。「はい!!吸ってません!!」と俺より先に上原が答える。教師は不満げに「誤解されるような格好をしているからだ」と捨て台詞を残すとすごすごと帰っていった。俺はほっとしてその場で正座をしたまま大恩人を見上げて「ありがとう、ホントに助かったよ」と礼を言った。それまで毅然としていた上原は俺のほうを振り向くと「よかった・・・」と言ってニッコリと微笑んだ後急に顔をくしゃくしゃにして泣き出してしまった。俺の横に座り込んで彼女は涙をポロポロこぼしながら泣いている何故か助けてもらったはずの俺が慰めていた。「こ、こわかったぁ・・・でも・・・何とかし なきゃって・・・」「本当にありがとう 上原さんがいなかったら どうなってたか・・・だからもう泣かないで  ほら」俺が慰めれば慰めるほど彼女の涙は止まらなかった。上原祐子は本人が言う通り人見知りが激しくてクラスの連中とも上手くうちとけられない女の子だ。その彼女があれだけ大きな声で教師に抗議をする為には、どれほどの勇気がいっただろう。 出会ったころ彼女の事をクールで感じの悪い優等生だと誤解していた自分が恥ずかしくなってくる。彼女は他人のためにがんばれる素敵な人だった。俺は深い感謝の念と共に彼女を愛しいと思う気持ちが自分の中に生まれつつあるのを自覚していた。・・・・・・この事件以来、俺と彼女は随分仲良くなれた。ずっと一方通行だった会話が無くなり、今では彼女の方から話し掛けてくれるようになった。調子に乗った俺は事件の後、彼女の事を上原さんではなく祐子ちゃんと呼ぶようになりごく最近では祐(ゆう)と呼び捨てにしている。彼女は始め照れて嫌がっていたが最終的にはふたりきりの時だけという条件で了承してくれた。そんな訳で、最近はバカップルがサボるのも気にならない所かむしろ大歓迎だ。始めは苦痛で仕方が無かった彼女との時間がとても大切なものに感じている。深い話もする様になって、彼女が対人関係で本当に悩んでる事や他人とどう接して良いのか分からないので先生の手伝いをして休み時間を潰していた事その事で優等生と呼ばれるようになって余計に友達がつくれなくなった事など深刻な悩みを打ち明けられたりもした。この時は俺が「大丈夫だって、ほら、俺は?友達でしょ思いつめなくても自然と出来るもんだよ」そう言って慰めると彼女は本当に嬉しそうな顔をしてくれたので、密かに感動したりしていた。・・・・・・ただし俺が個人的に面白くてしかたがなかったのは彼女をからかう事だ。からかうといっても悪意に満ちたものでは無い。ちょっとしたイタズラ程度の事なのだが基本的にクソ真面目な彼女は、俺の他愛無い嘘を素直に信じ込んでビックリしてくれる。一緒にゴミ捨てにいった時も「うぁ、祐、スカート破けてパンツ見える!!」と言っただけで持っていたゴミ箱を落っことして「えっ、ど、どこ? やだっ!!」と、若手芸人も顔負けの見事なリアクションをしてくれる。そして大笑いする俺を、じいっと上目遣いで見つめて「・・・またからかったんだ・・・」とにらむ。この時の表情がすごく可愛くて、俺は悪いと思いつつまたイタズラをしてしまう。そんな関係が一ヶ月程続き、三学期も後半に突入したある日総合学習の時間に地域の歴史について班単位で調べて発表するという課題が出された。面倒な課題だったが、案の定バカップルが「お願いね」などとふざけた事を言ったので、俺は頭に来てかなりきつく怒った。それが効いたのか青山遼子が自分の家に集まってやろうと言い出したので俺たちは日曜日に彼女の大豪邸に集まって宿題をやる事になった。青山遼子の自宅は迷路かと思うくらい部屋数があり、そのひとつひとつがやたらと広い。俺たちが案内された部屋も彼女の部屋ではなく彼女が友達を呼んだときに使う部屋(本人談)だった。十二畳あるその部屋にはふかふかの絨毯がひいてあり高そうな革張りのL字型のソファイタリア製(これも本人がそう言っていた)のテーブル、プラズマテレビにちっちゃな冷蔵庫まで完備していた。俺は遼子の金持ちぶりに圧倒されていたが祐子は冷静に、てきぱきと図書室で借りた資料を広げ準備をしている。バカップルふたりはソファの端っこに並んで座りもうイチャついている。それから一時間が過ぎたころ突然直樹が「トイレに行きたい」遼子が「案内してあげる」と言って部屋を出ていった。それから五分、十分、十五分・・・戻って来る気配が無い。「ふたりとも遅いね・・・」祐子は不思議そうな顔をしていたが、俺はどうせイチャついてるんだろうと思っていたので「ちょっと探しに行って見る?」とイタズラ心を出して彼女を誘って部屋を出た。青山邸は広かったが一階にいないのはすぐに分かった。もちろんトイレになんかいない。遼子の両親は父親が医者、母親は看護婦でその日も仕事に出ているらしく家には俺たちだけだった。お手伝いさんもいるらしかったが毎日来る分けでは無いそうなので遠慮なく家中を歩き回った。俺は祐子と大豪邸を探検する気分でウロウロし二階へ上がった。どうせ、あのバカップルの事だから彼女の部屋でいつものような感じでイチャイチャしてるんだろう程度に考えていたのだがある部屋の前まで来て俺と祐子の足は止まる。・・・・・・どう聞きなおしても喘ぎ声が聞こえてくる。俺も祐子も無言でその場に釘付けになった。ドア一枚隔てたすぐ横で喘いでいるヤツがいてその声の主は間違い無く遼子だったからだ。俺がドアノブに手をかけると祐子が慌てて止めた。俺の手をつかんで顔を真っ赤にして混乱気味に首を横に振っていたが、俺は好奇心に負けてかまわず、静かにほんの少しだけドアを開けた。角度の関係で中の様子を最初に見たのは祐子で彼女は口に手を当てたまま固まってしまった。祐子は目をまん丸にして部屋の中を凝視している。俺も彼女の前にしゃがんでコッソリと中の様子をうかがって、祐子と同じように固まってしまった。その部屋は寝室らしくダブルベットが置いてありその上で下半身丸出しの遼子と上半身裸の直樹がイチャつくというにはあまりにも激しい行為を繰り広げていた。仰向けに寝ている遼子の股の間に顔をうずめた直樹は俺たちに聞こえるくらい大きな音をたてて、彼女の大切な部分を舐め続けている。遼子は「そう・・・そこよ・・・こっちも・・・」と命令しながらそれに忠実に答える直樹を見て満足そうに微笑んでいた。俺と祐子は固まったまま、ふたりの行為を見つめ続けていが今考えるとその時間が、どれ位だったのか分からない。三分か五分か・・・気持ち的には十分以上のぞいていたような気がする。バカップルの行為はその間も、どんどんエスカレートしてゆく。遼子が「持ち上げて、いつもみたいにして」と言うと、直樹は彼女の大切な場所に顔をうずめたまま、ふとももを両腕で抱え込み、お尻を持ち上げて、舐めている所が彼女に良く見える体勢になる。直樹はそのままの姿勢を保ったまま、遼子のお尻は自分の身体で支え自由になった両手を胸に伸ばし、素早く彼女の上着をめくり上げると慣れた調子でブラを外す。フロントホックのブラが外れた瞬間遼子の巨乳がプルンとこぼれ落ち俺は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。俺は女の子の胸を生で見たのは、これが初めてだったので、それはもう凄い衝撃で情け無いことに、すでに硬くなっていた大事な部分が更にギンギンになってしまった。興奮して頭に血が登り思考停止状態の俺・・・もしかしたら目は血走っていたかもしれない。そんな間抜けな俺などお構いなしにバカップルの行為は続く。直樹は、口で下の方を両手で上の方を器用にリズミカル愛撫していく。さっきまで命令口調で指示を出していた遼子は甘い声を上げて身もだえし直樹のなすがままになっていた。俺はずっと、このバカップルは直樹が命令を聞き続けているから成り立っているんだろうと思っていたのだが、どうもそれだけでは無いらしい・・・・・・あのエビス野郎は只者じゃ無いようだ。一方の俺ときたら、テクニックがどうこう言う以前に、経験が無い。せいぜい、友達に借りたビデオを見たくらいだ。そんな俺の前で、大人の世界を見せ付けるバカップル。俺は真後ろに祐子がいることも忘れて見入っていた。「んーーーっ!!もうダメ!!もうダメだったらぁ!!」遼子の悶え方が激しさを増す、直樹は冷静にズボンを脱いでパンツも降ろすと彼女に馬乗りになりその顔の前にいきり立ったモノを突き出す。「いつもみたいにしてよ」直樹はそう言いながらも、右手は遼子の大事な場所をかき回していたので遼子は喘ぎながら上体を起こすと両手で直樹のモノを包み込み先っちょを舐め出した。「胸も使って」と直樹。いつの間にか主従は逆転し、遼子は自慢の胸も使って直樹に奉仕している。どんどん激しくなるバカップルの行為に、俺は釘付けになっていたがふいにポンと肩をたたかれてビックリして振り向く。そこには俺が、すっかりその存在を忘れていた祐子が真っ赤な困った顔で立っていた。彼女は右手を口に当てたまま、左手で階段を指差して「戻ろう」と言っているようだった。俺としては、これからいよいよ本番が始まるわけなので、この場所を離れたくなかったのだが祐子の手前いつまでものぞいている訳にもいかず泣く泣く彼女の後について、もとの部屋に戻った。その間、ふたりとも無言で、部屋に戻ってからもソファの端と端に座って黙ったまま固まっていた。俺は興奮が収まらず心臓はドクドク、あそこはギンギンになっていてどうにもならなくなっていたし、祐子も顔を真っ赤にしてうつむいたまま、モジモジしていた。しばらくそういう状態が続いたが落ち着いてきた俺は場を和ませようと思って軽口をたたいた。「な、なーにやってんだ!!あいつら!!なぁ!!」すると祐子はじいっと俺を見つめた後で「ハァーーー・・・・・・」と大きく息を吐き「・・・び、びっくり・・・した・・・あんな 事・・・するんだ」と、本当に驚いてる様子だった。俺は何となく自分がまだ経験していない事が、かっこ悪く思えて「あ、あんなの、普通だって!! ちょっと委員 長には刺激がつよすぎたか!?」と、ちょっと強がって見せた。すると黙って俺の顔を見つめていた祐子は、急に不安そうな表情になり「安藤君も・・・ああゆう事・・・してるの?」と聞いてきた。俺は一度、見栄をはった手前「そりゃあするさ!!」と言いかけたのだが祐子の真剣な眼差しに負けて嘘をつき通す事が出来ずに「そりゃあ・・・・・・いずれは、したいと思 ってるけど・・・まだ・・・かな」と、情け無い事を言ってしまっていた。俺は内心「ああ・・・かっこ悪い」と思ったのだが、意外な事に祐子の反応は良く「そ、そーなんだ」と微笑んでいた。「な、何で、笑うんだよ!!気分悪い!!」見栄を張りきれなかった俺は、恥ずかしさを誤魔化す為に、つい祐子に意地悪を言ってしまう。いつもの事だが、祐子はそれを真に受けて慌ててフォローしようとする。「あ、あの、ち、違うの!! そう言う事じゃな くって・・・」「じゃあ、どうゆう事?」「わ、私も・・・その、まだだから、安心したって言うか・・・あっ!!」慌てていた祐子は、やっと自分が何を言っているのか気付いたらしく顔をまっかにして黙ってしまった。俺は調子に乗って意地悪を続けた。「ふーん・・・真面目な優等生でも、そうゆう事気にするんだ」「もう!!安藤君、いっつもそうやって意地悪言うんだから!!」と、祐子が真っ赤な顔を更に赤くして本気で怒りだしたので俺は話をそらす。「はい、はい・・・わるかったね!・・・でも どうする? 帰る?」まだ、少しムッとした顔で祐子は「・・・でも、まだ全然終わってないよ」と課題を指差す。祐子は怒ったとき、困ったような顔をして、じいっと俺の顔をにらむ、実はこの時の顔がえらく可愛いので、俺はついつい悪いと思いながらも意地悪をしてしまう。最初にバカップルがSとMだから上手くいっていると書いたが本当にSとMなのは俺たちの方なのかもしれない。だから、この時も軽い気持ちでからかっただけでまさかあんな事になるなんて想像もしてなかった。・・・・・・俺のそのセリフは、本当に冗談のつもりだった。「いつもみたいに、ふたりで仕上げる? それとも、俺たちもあいつらみたいにやってみる!?」俺は彼女がクソ真面目で、何でも真に受ける事は重々承知していたがまさかこんな事まで本気にするとは考えてなかったので、いつものように困った表情でにらまれるものだと思っていた。「もう!! からかわないで!!」「そんな事言われても・・・私・・・困る」などと、怒って拒否されるに決まっていると思っていたのだ。ところが真っ赤になってうつむいた祐子は小さな声でこう言った。「・・・安藤君が・・・そうしたいのなら」祐子の答えは俺の予想を遥かに越えた大胆なもので何よりも「エッチOK」の返事が返って来た事に、俺自身が慌ててしまい「・・・えええっ!?」と思わず聞き返していた。祐子はそんな俺の態度を見て全てを悟ったらしくその後、真っ赤な顔で唇をぎゅっと噛んで、俺が今まで見たことの無い悲しげな表情をした。「・・・また、からかったんだ・・・」そう呟くと彼女は泣き出してしまった。俺はそんな彼女の様子を見つめながら激しい自己嫌悪に陥っていた。本気でやった告白は冗談ととられ、冗談のつもりで祐子を傷つけてしまった・・・まったく笑えない話だ。今まで、彼女には沢山の悪戯をして来たが傷つけるつもりは無かったし、傷つけてもいないはずだった。それなのに、本当に大事な部分で彼女を深く傷つけてしまうというデリカシーの無さにあきれ果てて後悔した。俺はとにかくフォローしなくてはと、祐子の左隣りに移動して必死で「あ、あの・・・からかった訳じゃなくて、その・・・だから・・・」などと言い訳をするが、祐子はうつむいて黙ったまま俺の方を見てもくれない。色々いい訳をしても祐子は黙ったままで、完全に俺の事を拒絶していた。本当に必死だった俺は、気がつくと祐子の左手を両手で握り締めながら「冗談なんかじゃない!!俺はやりたい、祐とエッチな事がしたい!!」と叫んでいた。その言葉を聞いた祐子は、やっと俺の方を見ていつものように真っ赤な顔でじいっとにらんでくれた。・・・次の瞬間、俺は彼女を抱きしめていた。理性的に言えば、祐子に恥をかかせたのだから、許してもらう為には俺も恥をさらすべき・・・だから、恥ずかしい事を大声で叫んだのだ、という事にでもなるのだろうが実際の所は、単に興奮して本音が出てしまっただけだと思う。言うまでも無く、俺も祐子も普通なら絶対に、こんな行動はとらない。目の前でバカップルの痴態を見せ付けられて異常な状態だったとしか思えない。少なくとも俺は理性のネジが吹っ飛んでエロエロモードになっていたと思う・・・そして、たぶん祐子も。俺は右腕を祐子の首すじに伸ばし、しっかりと抱き寄せたまま左手を彼女の着ていたセーターの中に滑り込ませると中のブラウスのボタンを外して一気に胸まで到達した。初めて触る女の子の胸は、思っていた以上に軟らかかった。さすがにこんな場所なので、彼女を丸裸にする訳にはいかず目で見る事は出来なかったけどその感触は十分楽しめた。実はその日、初めて祐子の私服姿を見たのだが相変わらずの三つ網で濃い茶色のブラウスとクリーム色のモサッとしたセーターにやっぱり茶色を基調としたチェックのミニスカートという、地味な配色の地味なコーディネートだったのだが俺は、彼女らしくて似合っていると思っていた。・・・まさか、その数時間後、自分がその服を脱がす事になるなんて思いもしなかったが・・・しばらく胸を揉み続けていたのだが、祐子は固まったまま身じろぎ一つしない。俺が抱き寄せて離してないせいもあるが、俺の肩に顔をうずめていて表情も見えない。そうなってくると経験の無い者の悲しさか、感じているのかそうでないのかそもそもこんな事をするのを許可してくれているのかさえ分からなくなってきて急に不安になってくる。「ゆ、祐?・・・大丈夫?・・・」と聞いても、祐子は「うん」と小さく答えるだけでこっちを見てくれない。俺は、彼女の表情を確かめたくて「ねえ、キスしてみようよ」と誘った。数秒の沈黙の後、祐子がやっと俺を見てくれた。真っ赤な顔で瞳は潤んでいた・・・恥ずかしそうにしていたが嫌がっている様子は無く、俺は安心するとともに彼女がたまらなく愛しく思えてきて少し強引だなと自覚しつつキスをした。勢いに任せて数回、唇を重ねた後・・・祐子をソファの背もたれに押し付けて大人のキスをした。左手では彼女の胸を、右手は彼女のおでこを押さえてキスを続けた。俺が調子に乗って舌を入れると、祐子はビックリしていたようだったが彼女に覆い被さるようになっていた俺の身体をしっかりと掴んで耐えてくれた。俺は、興奮しすぎていたのかキスだけでハァハァと息を切らしてしまい一旦、祐子から離れた。祐子は俺が押し付けていた手を離した後もそのままの体勢で、だらんと背もたれに寄りかかり天井をぼんやりと眺めている。普段のきっちりした彼女ならありえない事だがその時の祐子はだらしなく足を開いていて激しく抱き合ったせいか、スカートもめくれ上がり白いふとももがあらわになっていた。俺はソファから降りて祐子の前の床に直接座り彼女のスカートの中に手を入れてパンツをおろそうとした。ボーッとしていた祐子も、さすがにそれには気がついて慌ててスカートを押さえる。「ま、待って!!そ、そんなとこから・・・するの?」俺が彼女の股の間から顔をだしたまま「うん、さっきのエビスみたいにやってあげる」と言うと祐子は困ったような照れたような表情で「・・・あんな・・・ふうには・・・しないで・・・」と拒否して来た。その表情が意地悪心をくすぐるのでつい、また余計な事をやってしまう俺。「ふーん・・・ホントに嫌がってる? なんか、 そんな風には見えないけど・・・」「そ、そんなことない!!」俺は、必死で否定する祐子が可愛くて仕方が無い。そしてそんな言い合いをしている間にも、俺は構わずにパンツをずり下ろしていった。祐子は「待って!!本当に待ってったら!! 恥ずかしいの!!」と俺の手を押さえるがキスもしてるし胸も触っている、今更何で恥ずかしがるのか、俺には理解できなかった。第一、この時の俺の精神状態では彼女の気持ちを理解できたとしても止められなかっただろう。俺は右手で彼女の腰を持ち上げて勢い良く膝の所までパンツをずり下げた。祐子の履いていたパンツは白地に小さな柄が沢山ついたやっぱり地味目のものだったが俺にはそんなものより、中身の方がずっと大切だった。そこには上品な黒い茂みと、噂には聞いていたモザイクの中身があった。俺は感動と興奮で血管が切れそうになったが実は一番驚いたのは祐子の大切な場所と彼女のパンツの間が透明の糸で繋がっていた事だった。俺が思わず「・・・濡れてる」と口走ってしまった為、祐子は両手で顔を隠しながら「だから、待ってって言ったのに・・・酷いよ・・・」と涙声で抗議してきた。単に恥ずかしがってるだけだと思っていた俺は強引にやりすぎた事を少し反省してもう一度、彼女の隣りに座りなおして謝った。「ごめん・・・ちょっとやりすぎたかも」しかし、祐子は手で顔をおおったまま「酷いよ・・・」と繰り返す。困った俺は、彼女を抱き寄せて話す。「でも、濡れてるって事は、感じてくれてたっ て事だろ・・・俺はスゲー嬉しいんだけど」「・・・・・・」顔を覆う指の隙間からじいっと俺を見つめる祐子、ちょっとキザったらしいセリフだったけどそれが俺の素直な感想で、祐子もその気もちは分かってくれたみたいだった。「もう一回キスしてもいい?」俺がお願いすると、祐子の方からキスしてくれた・・・どうやら許してくれたようだった。今度は祐子が俺の首に両手を回してキスを続ける。それは、舌なんか入れない唇を重ねるだけのものだったが彼女主導という事実が俺を益々興奮させた。俺は右手は彼女の腰に回し左手は彼女の大切な場所を優しく触れる。キスをしていた祐子がピクっと反応する。直接触って分かった事だが、結構濡れていた。本当はのぞき込んでどうなっているのか確かめたかったのだが、祐子が嫌がりそうだったのでそのまま、抱き合ったままの体勢で触ってみた。最初はスジに沿って・・・すでにヌルヌルだったので抵抗は無い。ひととおり終わった後で、今度は少し奥の方まで触れてみる・・・たぶんココがアソコでこのコリッとしたのがアレか・・・などと考えながら指先を動かしてゆく。さっきまでキスをしてくれていた祐子はまた俺の肩に顔をうずめて黙ってしまっている。だが、さすがに今度は感じてくれているんだとはっきりと分かった。俺はこの時、口には出さなかったけどかなり感動していた。「女の子ってこうなってて、こんな風になるん だ・・・」触れば触るほど祐子の大事な場所はトロトロになってゆくようだった。俺の指の動きに合わせるように祐子の息づかいが荒くなって来ていた。「ん・・・んん・・・」もの凄く控えめながら喘ぎ声も聞けた。後日、本人に聞いた話では、声を出すのだけは恥ずかしいし、二階に聞えたら困るので必死で我慢していたらしいのだが、それでも我慢しきれずに少しだけ声が漏れ出していた。真面目ッ子の祐子が我慢出来ないぐらいだから俺なんかはとっくに我慢の限界に達していた。耐えられなくなった俺は情け無い声で祐子に頼む。「祐・・・俺のも触って欲しいんだけど・・・ ダメかな?」祐子はすこしぼんやりしている感じだったが「うん」と答えてくれたので俺は慌てて自分でズボンを下ろす。・・・この辺の余裕の無さが男として情け無い。ズボンもパンツも脱いでしまいたい所だったがここは他人の家だという理性がかろうじて働いていたので、少しだけずらして、隙間から我慢しきれなくなった俺の大切なモノを出した。祐子同様、透明の液体でベトベトだった。それをマジマジと見つめていた祐子は、ソファを降りて俺の股の間にちょこんと座りいたずらっ子のような表情で俺を見つめる。「ふふ・・・さっきのお返し!!」・・・・・・確かにこのポーズは妙に恥ずかしい、かといって俺が涙ぐんで抗議しても仕方が無いので悪戯には悪戯で返す事にした。「じゃあ、お願いします」と祐子の顔の前に勢 い良く反り返ったモノを突き出す。祐子は目をまん丸にした後、ちょっと恥ずかしそうに恐る恐る右手で俺のモノをつかんだ。そしてたどたどしい手つきで上下に動かし始める。俺はちょっとショックだった、自分でお願いしておいて何を言ってるんだ・・・と言われるかもしれないが、俺は祐子は戸惑って「どうすればいいのかわからないよ」とかなんとか言うもんだと勝手に予想していたのにたどたどしくではあるが、やり方は合っていて、俺の気持ちとしては「なんでそんな事知ってるの!?もしかして、経験があるとか!?」「そうだとしても、それを指摘したらまた怒らせるかな・・・」と嫉妬とも不安ともつかない嫌な気分になっていた。それでも初めて女の子に触られているわけでその気持ちよさといったら想像をこえていたので「そんな事どうでもいいじゃん」みたいな気持ちになってゆく。ところが、一生懸命に手を動かしていた祐子の手が止まり、急に顔を近づけてきたので俺は「まさか、口で!?」と心の中で叫び「ち、ちょっと待った!!」と、さっきの祐子ではないけど前を隠して飛び退いた。きょとんとする祐子。俺はびっくりして思わず「な、何!?何しようとしてたの、今!!」と口に出してしまっていた。「それは・・・」祐子は恥ずかしそうに口ごもる。「祐さあ、何でやり方知ってるの!?さっき経験無いって言ってたけどあれ、嘘!?」余計な事を言っているのは分かっていた、でももう止まらなかった。祐子は一瞬固まって真っ赤になった後、プッと噴出して笑い出した。「安藤君だって、さっき一緒に本物を見たじゃ ない!!・・・・・・その通りに やったんだけど、間違ってた?」「・・・・・・あっ!!」俺は自分のアホさ加減に呆れたが同時に凄く安心した。祐子が照れながら「さっきの青山さんみたいにすればいいのかなって思ったんだけど・・・」などと言うので、俺は慌てて首を横に振りながら止める。「祐はあんな風にはしなくていいから・・・イメージと合わないし、今のままでいてね」「・・・・・・・・・」俺の言葉を受けて祐子が上目づかいでじいっと俺を見る。何故か、すごく嬉しそうだったのが印象に残っている。「じゃあ、どうすればいいの?教えて下さい先 生・・・」首をかしげて微笑む祐子。「さっきみたいに手で十分だよ、口ではしなく ていいから」俺は少し照れながらそう言った。口にも興味はあったけど、祐子にいきなりそんな事はさせられないと思った。彼女は真面目で真っ白な感じの女の子で、それを俺が汚してしまいそうで嫌だった。・・・もっとも俺は美味しいものは後で食べる性格なのでこの先どうなるのか分かったものじゃ無かったが・・・祐子が再び手で触ってくれていた。俺は気持ちよすぎて一気に頂点まで登ってしまいそうだったのでちょっと焦って気を紛らわす為に、祐子を立たせた。「祐、祐にもしてあげる・・・こっちに来て、 そう、そこに立って・・・うん」祐子は俺に言われた通り、俺の右の膝をまたいで立つと腰をかがめ続けて俺のモノを上下に動かしてくれた。俺はソファーに座ったまま彼女の大事な場所を刺激し始めた。お互いに感じて感じさせて、そんな時間がしばらく続いたが、俺が熱心に触るようになると祐子の右手は少しずつ動きが遅くなり、最後は手を離してしまった。正直な所、イキそうになってた俺は、ホッとしてそのまま両手を使って祐子をせめる。祐子は俺の首に両腕を回してしがみつきジッと耐えている様子だった。「感じてくれている」そう思った俺は、ますます調子に乗って指の先をちょっとだけ中に入れたり、ふくらみを刺激したり色々やってみた。しばらくそういう事を続けていると祐子のしがみつく腕に力が入りだし、俺は苦しくなってきたのだがそれでも止めずに続けていると、急にガクッと彼女の腰が落ちて俺の右ひざの上にまたがって座り込んでしまった。祐子の息が凄く荒くなっていたので俺が心配になり「大丈夫?」と声をかけると彼女は俺にもたれかかったまま「・・・うん」と答えた。そして祐子は思い出したように右手を動かし始めたので、俺もまた指先を動かした。俺の手は自分のふとももと祐子の身体に挟まれていたが、俺が指先を動かしだすと彼女はすぐに腰を浮かして、上半身は完全に俺の方にもたれかかるような体勢になった。祐子はかなり感じてくれているようだったけど俺の方もたまらなくなって来ていたので、ごく自然に「ねえ・・・最後まで・・・してもいいよね」と彼女の耳元で囁いていた。祐子は俺に抱きついて右手を動かしながら「う・・・うん・・・いいけど・・・で    も・・・んんっ」と答えそれは喘いでいるのかしゃべっているのかよく分からなかったが困っているという事だけは分かった。彼女が何を心配しているのかは俺にもすぐに分かったが今日はこんな事をするつもりでココにきた訳では無かったので肝心なものは用意して来てない。「やっぱ・・・無いとダメだよな」「う、うん・・・だってぇ・・・」そう言いながら祐子は俺にしがみついて来る。このまま最後までいってしまいたい衝動と理性とがぶつかり合う。俺は悩みながら、葛藤しながらも指先は動かし続け、祐子も右手を休めずに刺激を続けてくれていた。気持ちが良くてたまらない、もうどうなっても構わないような、そんな精神状態なっていった。俺は強引にでも挿れてしまおうか・・・という気分になりかけていたのだが祐子の顔を見て危うい所で思いとどまった。祐子は一生懸命に俺のために右手を動かしてくれている。真っ赤な頬に濡れた瞳、健気な姿がたまらなく愛しく思えて「彼女を悲しませるような事は絶対にやってはいけないんだ」と改めて強く感じた。やっぱり最後までするのは諦めて、このまま手で・・・そう思っていた時だった・・・悪魔の囁きは、意外な事に、この愛しい人の口から発せられた。俺に力いっぱいしがみついていた祐子が耳元でもの凄く甘く切なそうな声で囁く。「・・・・・・や・・・約束・・・出来る?」正直な所、自信は無かった。初めての経験なので、挿れたとたんイッてしまうかもしれない。中で出してしまえば、大変な事になる・・・それも十二分に理解していた。それでもなお、祐子の囁きは俺の理性を一撃でぶっ飛ばしてしまう破壊力があった。俺は祐子を引き寄せて立たせ、自分のモノをつかんで彼女の大事な場所に照準を合わせる。随分長い間、触らせてもらっていたのでどこに挿れれば良いかは、はっきりと分かっていた。祐子が近づいてきて腰を屈めると、ふたりの大事な部分がぴったりとくっ付いた。入れる直前、俺が祐子に「・・・挿れるよ」と声をかけた時彼女はいつものようにじいっと俺を見てゆっくりと頷いた。祐子はソファーの上で俺にまたがってゆっくりと腰をおろす。彼女は濡れていたし、すんなりと入るものだと俺は思っていたのだが先っちょすら上手く入らない。俺は「祐、力抜いて」と少し慌てたが、彼女は緊張しているのか凄く力んでてまったく歯が立たなかった。何度か、チャレンジしたがことごとく失敗してしまい焦る俺。やっとこの時になって初心者がこんな体勢で入れようとするのに無理があるのかもしれないと気がついて、祐子に床に寝てもらった。(青山邸にはフカフカの絨毯がひいてあったので 痛く無い)そしてもう一度、今度は正乗位で挑戦してみるが、やっぱり上手くいかない。さっきまでそんな風では無かった祐子の腰周りの筋肉はガチガチになっていてどうにもなりそうになかった。困り果てた俺は祐子に覆い被さるように、彼女の顔の前までいくと「祐、リラックスして、力を抜いてくれないと入らないよ」と泣きを入れた。すると、それまでぎゅっと目をつぶっていた祐子が俺を見て、両腕を背中に回して抱きついてきた。俺がますます慌てて「ゆ、祐、そうじゃなくて・・・」と言いかけたときそれを遮るように祐子が「・・・このまま、お願い」と囁いた。祐子にそう言われてしまうと、仕方が無いのでその不自然な体勢のまま俺は手探りで入り口をさがし再度、挑戦した。ところが、今度は「今までの苦労が何だったんだ!?」と言いたくなるくらい、すんなりと自然な感じで奥深くまで到達した。「んっ!!・・・んんん・・・」祐子は一度だけ大きな声を出した後は、俺にしがみ付いたまま身じろぎ一つしない。俺が心配になって「大丈夫?・・・どうすればいい?一度抜こうか?」と聞くと祐子は首を横に振って「ダメ・・・動かないで・・・」と必死な声を出した。祐子は本人が認めているように初めてだった訳で、痛みなどがあったのかも知れない。俺は黙って彼女の指示通りジッとして彼女のおでこを撫でたりしていた。完全にお互いの動きが止まって数分・・・祐子も少し落ち着いてきたらしく涙目だったが、時折笑顔も見せてくれる。一方の俺はといえば、感動浸っていた。とうとう経験者の仲間入りだ!!これが、女の子の中か・・・エッチしてるんだ・・・と、感動しまくっていたが、何よりもその初めての相手が上原祐子だった事が嬉しかった。彼女に初めて惹かれ出した先生との一件や、これまでの色んな会話を思い出してちょっと泣きそうになっていた。俺のそんな様子を下からじいっと見ていた祐子が「安藤君・・・もう大丈夫だから・・・いいよ」と微笑んでGOサインを出してくれた。俺は、情け無い表情を見られていた事が恥ずかしくて「わ、わかった」と慌てながら身体を起こす。そして、彼女の腰に手を当てて、ゆっくりと慎重に引き抜いた。興奮していたせいか、たった一度のその動きだけでも、腰が抜けるような足の裏までピリピリするような信じられない快感が俺を襲う。これは、やみつきになりそうでマジでヤバかった・・・お陰で俺は「祐の中・・・すごいよ・・・」などという間抜けなセリフを発していた。これには、普段の真面目な祐子なら恥ずかしがって怒ってもおかしくない所なのだがその時の彼女は、やけに嬉しそうな表情で、俺を見つめて、くすくすと笑っていた。その直後、祐子が満面の笑みをたたえたまま「ねえ・・・もう一回!」と両手を差し出してきた。その意味がよく分からなかった俺は「えっ!?もっと動けって事!?」などと聞き返していたが、それには、さすがに祐子も「ち、違う!! こっちに来てって言ったの!!」と怒っていた。俺は祐子に促がされるまま、再び彼女に覆い被さる。祐子は俺の背中に手を回しギュッと抱きついてきた。俺は彼女に抱きしめられているという幸せに浸りながら、彼女の耳元で囁く。「ねえ・・・このまま、動いてもいいよね」「うん・・・いいよ・・・でも・・・」と、祐子は少し心配そうだったので「大丈夫!!約束は守るよ」と安心させて続きを楽しんだ。 さっきも言ったが、はっきり言って自信は無かった。理性的に考えれば、ここで止めておくべきなのは間違いない・・・だけど、頭ではわかっていても、身体は止まらなかった。俺は祐子に覆い被さったまま再び奥まで突き入れた。彼女の腰に力が入りグッと浮く。そしてまた、ゆっくりと引き抜く・・・もう一度・・・もう一度・・・たまらない快感で頭の中が痺れてくる・・・祐子も凄い力で俺にしがみ付く。何度目かの動きの中で、俺はひとつ気がついた事があった。それは俺が腰を引いて俺のモノを引き抜くとき祐子が「はあぁ・・・」と甘い声を出すようになってきた事だ。俺ほどでは無いにしても、祐子も感じてくれているのだと思うと嬉しかった。「祐も感じてきたみたいだね、良かった!」「・・・・・・言わないで・・・んんっ・・・」感じ方も喘ぎ方も彼女らしくて愛しくて可愛くて・・・俺はたまらない気持ちになって気がつくと彼女を思いっきり抱きしめて、一所懸命に腰を振っていた。・・・でも、幸せな時間は突然終りを迎える。俺も祐子も、気持ちが盛り上がっていよいよ最後の時を迎えようとしていた、その直前だった。ガチャン!!二階でドアの開く音・・・続いて何かしゃべりながら階段を下りてくる足音・・・一瞬、俺にはそれが何なのか分からなかった分からないほど理性はぶっ飛んでいたのだ。それでも、すぐに我に帰る・・・遼子と直樹の行為が終わってこの部屋に戻ってこようとしているのだ。そう!!ここは俺の部屋でもホテルでもない、赤の他人の部屋なのだ。こんな格好を見られたら、どっちがバカップルだかわかりゃしない。俺は焦りまくったが、奴等がココへ来るまでに一分もかからない。どうがんばっても、誤魔化すのは無理そうだったのだが幸いな事にあの二人は真っ直ぐこの部屋には来なかった。後で分かった事だが遼子が気を利かせてジュースとお菓子を取りにいっていたのだ。・・・この間、約三分。俺は「祐!!ヤバイ、あいつらが降りてくる急いで!!」と祐子に声をかけると慌てて彼女と離れた。正直な所、俺は「何でいい所で戻って来るんだ!!」とムカついたのだが今考えればここで止めておいて良かったと思う。むしろ、俺が欲望に負けて祐子の中に出してしまうという最悪の事態を避けられたのだからバカップルには感謝しなければならないだろう。ただこの時は、そんな事を考える余裕も無く、俺は慌てまくって、テーブルの上に置いてあったティッシュを数枚つかむと、自分のヌルヌルになったモノを拭いた。少し血が付いていて驚いたが、それは祐子のものだった。そんなこんなで、バタバタしながら何とかズボンを穿いた俺は、振り返って更に慌てた。祐子が未だに絨毯の上に横になったまま、ボーッとしていたからだ。彼女の大切な部分はネトネトになっていて、しかもスカートはお腹の方にずれていたから下半身は丸見えだった。「ゆ、祐!?しっかりして!! 時間が無いんだっ てば!!」俺はティッシュを箱ごとつかむと祐子の横に駆け寄ってトロンとした焦点の定まらない瞳で宙を見つめる祐子の大事な部分を急いで拭いてやった。・・・かなり間抜けな絵図らだったが俺は慌ててたし、祐子はまだ正気に戻ってなかった。それでも、少しずつ意識がハッキリして来る祐子。俺に大事な所を拭かれている事にやっと気がついたらしく、それまで力なく開いていた足をキュッと閉じて「い、いい・・・自分でする・・・ごめんなさい」と起き上がってきた。俺はとりあえず服も整えて、万全の態勢をとったが祐子は彼女らしくない緩慢な動きで服装の乱れを直す。祐子はゆっくり立ち上がり上着を整えスカートを元の位置に戻すと、ふらつくようにソファーに腰をおろし「・・・これで・・・大丈夫?・・・」と照れ笑いを浮かべた。ところが「うん!!バッチリ・・・」そう言い掛けた俺の目に床に転がって丸まっている彼女のパンツが飛び込んでくる。俺は唖然として、直ぐにそれを拾うと彼女に渡す。「大事なもの穿き忘れてるってば!!」「・・・・・・あ・・・」・・・祐子はまだ、まともじゃなかった。祐子がパンツを穿いている間に俺は、床に散らばったティッシュを集めていた。どれもこれもネトネトの液体でぐっしょりしていて、血までついている。高そうな絨毯まで濡れていたので必死になってふき取った。俺は単純にそれらを集めて、部屋の隅にあったゴミ箱に捨てようと思っていたのだがソファーでぐったりしていた祐子が突然「あっ・・・それ・・・ダメだよ・・・」と手を差し出す。彼女は俺からティッシュの塊を受け取ると、更に新しいティッシュで何回も包み自分のカバンに入れた。・・・確かにネトネトの血までついたティッシュをゴミ箱に捨てると遼子本人や家の人達にバレる可能性があるし、第一恥ずかしい・・・祐子のその気持ちはよく分かるのだが、パンツを忘れるほどボーッとしていた彼女がそんな細かい所を気にするのが妙に可笑しくて俺は思わず笑ってしまった。そうこうしている内に遼子と直樹が戻って来た。「おまたせー!! お菓子とジュースの差し入れ でーす!!」とご機嫌な遼子。お菓子とジュースの乗ったお盆を抱えている直樹。このふたりが何をしていたか知っているせいか、俺には遼子がやけに艶っぽく見えて反対に直樹は、搾り取られて干からびているように見えた。一方の俺と祐子も、このふたりに何をやっていたのか悟られなかったかと言えば微妙な感じだった。とりあえず服装だけは直していたが、俺も祐子も冬だというのに額に汗をかいていたし祐子のスカートはシワだらけで髪はボサボサになっていたし俺にいたってはジーンズの右ひざの部分に祐子がペタッと座り込んだ時のしるしが残っていた。・・・・・・この後、俺はずっとその場所を手で隠していたのだが、途中でその事に祐子が気がついたらしく、いきなり真っ赤になり出したりしたので、やっぱりバレてたかもしれない。その後、やっと本題(宿題)に入ったのだが直樹と遼子のバカップルは余韻を楽しむかのように最後までイチャイチャしどうしだったし俺と祐子も勉強に集中出来る状態ではなかった。俺は祐子との夢の時間を思い出してぼんやりしていたし祐子も机に向かってノートを広げてはいたが、まったく手は動いていなかった。俺はそんな祐子の様子を見つめながら考えていた。思いを寄せていた女の子との思いがけない形での初体験・・・俺にとっては信じられないくらい喜びに満ちた時間だった。自分の初めての相手が上原祐子で本当に良かったと心の底からそう思える・・・ただ・・・・・・ふと「祐子はどうだったのだろう?」・・・と考える。祐子の初めての相手は俺で良かったのだろうか・・・異常な興奮状態に流されてしまっただけで今頃、後悔しているのではないだろうか・・・不安な気持ちになる。・・・だが、俺の頭を一瞬よぎった、その考えを祐子の表情が否定する。俺がずっと見つめていた事に気がついた祐子は後ろのイチャつくバカップルを気にしながら照れた表情で微笑んでくれた。俺は思わず微笑み返して「祐子も俺の事が好きだったんだ!!間違い無い!!」などとすっかり恋人気分で幸せを噛み締めていたのだが、実は大切な事を忘れていた。・・・結局その後、ニ時間以上も青山邸にいたのだが肝心の課題はほとんど進まないままお開きになった。帰り、俺は祐子とふたりきりで青山邸の大きな門の前で十分程、話をするチャンスがあった。祐子の家はこの近所なので、彼女は自転車で来ていたが、俺と直樹は電車だった。その直樹が玄関先で遼子と別れの抱擁を繰り返していたので、俺はその行為が終わるまで彼を待つはめになったのだが祐子も、それに付き合ってくれたのだ。俺が直樹たちのアツアツぶりに呆れながら「・・・よくやるよな、あいつらも」と苦笑いしていたら祐子が「ホントだね」とクスクス笑って同意してくれた。彼女の自然な笑顔に気をよくした俺は調子に乗ってこう続けた。「俺たちも人のこと言えないけどな・・・祐・・・今日は嬉しかった・・・今度、本当に 最後ま でしようよ」しかし祐子は、俺の顔をじいっと見つめながら真面目な表情で答える。「あの・・・ごめんなさい・・・さっきは・・・あんな事になっちゃったけど・・・ やっぱり・・・こういう事って恋人同士とかじゃないと やっちゃいけない事だと思うの・・・だから・・・その・・・」それはすっかり冷静さを取り戻した優等生の発言だったが、同時に大切な内容も含まれていた。そう、俺たちはエッチまでしているのに恋人どころか、まだ一度も気持ちを伝えあってなかったのだ。ずっと好意を持っていた俺は勝手に想いが通じたものだと思い込んでいたのだがよくよく思い出してみると、確かに一度も「好きだ」と言ってないし、言ってもらってもいなかった。その事にやっと、気がついて慌てた俺は「ず、ずっと好きだったんだ・・・優の事!! だ、だから、エッチとかそう言うのは抜きに しても俺は・・・ その・・・と、とにかく好きだから!!」と、まとまりのないカッコ悪い告白をした。祐子は、真剣な表情でいつものように俺をじいっと見つめると「・・・またからかってるんでしょ」と、言い数秒間うつむいて沈黙した後「・・・今日は、本当に突然だったけど・・・私・・・後悔はしてないから・・・ 責任は・・・私にもあるし・・・・・・だから・・・無理しなくていいよ」と、消え入りそうな声で答えた。俺の脳裏に中2の時の告白の悪夢が蘇る。またここで冗談や軽口ととられて、相手にされなかったら目も当てられない。俺は本当に焦りまくって、祐子の両肩をつかむと大きな声で叫んでいた。「からかってないし、無理もしてない!! 俺はあ の時(タバコの件)から、ずっと祐の事が気にな ってて・・・ 今日、エッチしたのだって相手が祐だったか らで・・・その・・・あー・・・」声は大きかったが内容は尻すぼみで、自分が言いたい事の半分も出てこない。俺は自分自身にイライラして、バリバリと頭をかいて言い訳をした。「・・・ごめん・・・混乱してて・・・上手く言え ないよ・・・ 落ち着いて明日ちゃんと告白するから・・・それまで待ってくれないかな・・・ 俺、本気だから・・・」そんな俺を、じいっと黙って見つめていた祐子は、急に涙目になり「安藤君・・・私、直ぐ真に受けるよ・・・それでもいいの?」と聞いてきた。俺は「うん、もちろん!!」と大きく頷いた。それを聞いて、真っ赤な顔でやっと微笑んだ祐子はいたずらっ子のような表情でこう言った。「・・・じゃあ、待ってる!安藤君の気持ちは、何となく分かったけど・・・ せっかくだから、明日まで待ってる!!」俺は、つかんだままになっていた祐子の肩を撫でながら、照れ笑いを浮かべた。凄く満たされた気分だった・・・身体がつながっていた時よりも幸せな気持ちだったのが印象に残っている。明日の告白の為に、今夜は寝ずにセリフを考える事になるだろう・・・プレッシャーもある。だけど、結果が分かっている告白ほど楽しみなものは無い。明日、俺の気持ちを伝えた後、彼女の気持ちもしっかり聞きたいと思った。祐子は黙って微笑んでいた。その様子があまりにも可愛くて、俺は思わず肩を抱いて引き寄せた。祐子も俺の肩に頬を寄せて目を閉じる・・・良い感じだった。ところが「はぁーーん!! やっぱりね!!」ビックリして振り向くと、そこには腰に手を当てて仁王立ちの遼子とニヤニヤしている直樹の姿があった。遼子は楽しそうに「真面目っ子の上原がねぇ・・・驚きだわ!!」直樹は嬉しそうに「いやー・・・安藤ちゃんがここまでやるとはね!!」「ほほほほほっ!!」大きな声でわざとらしく笑う遼子。「あんたたち、このあたしにバレてないとでも思ってるわけ!! 私たちが戻ってきた時、ふたりの様子が怪しかったからピーンと来たのよねぇ・・・ 部屋中エッチな匂いが充満してたし・・・ でも、フツー他人の部屋で断りも無くエッチ するかっつーの!?」腰の低い直樹が謝りながら言う「ごめんねぇ・・・実は俺たちの事をのぞいてたのにも気 付いてたりして・・・」・・・全部バレていた。俺は、とりあえず、のぞいたのは不可抗力だと言い訳したが自分達の事については何も言えなかった。祐子は真っ赤になって俺の後ろに隠れて小さくなる。「でも、あんたたち結構大胆だよねぇ・・・上原ってさぁ・・・意外とエッチなんだ」などと、あきらかに祐子をからかい始める遼子。祐子は俺の後ろでうつむいて固まってしまっていた。「あーもう!!からかうなよ!! お前らが先に変な事を始めたから俺たちまでおかしくなっちまったんだろーが!! 大体、のぞきに気付いてたんなら止めろよな!!」と、俺が抗議をすると遼子は直樹の肩に両手をかけて「それがさぁ・・・あたし、見られると よけいに感じる人みたいなんだよねぇ・・・ねっ直樹!!」などとほざいた。しかも、嬉しそうな表情でふざけた提案をする。「ねぇ・・・今度さぁ、ウチで4Pしない!? あっ!!・・・もちろん直樹には上原に指一本 触れさせないからさ!! いい考えじゃない!?ねぇ!!」祐子は真っ赤な顔で黙ったまま首をブンブン横に振り、完全拒否の姿勢をとったが遼子はお構い無しに、祐子の横に並んで彼女と腕を組むと、自分の穿いているスカートをまくり、ふとももをあらわにし「こんな感じでどう!?あたしと上原が並んでベッドの上に四つん這いになって 直樹と安藤がバックから攻めまくるの!!」すかさず直樹が遼子のふとももを撫でながら「うん・・・いいかも」と同意する。俺が呆れて「出来るか!!そんな事!!」と言うと遼子は今度は祐子に後ろから抱きついて「あっ・・・やっぱりこっちの方がいいかも!! 安藤と上原は騎乗位でと直樹はバック!!そして私も上原を後ろから攻めるの!!実は、一度くらいは女の子をいかせてみたいと思ってたのよ!!」などとと言い出した。遼子に背後から抱きつかれて胸を触られまくっていた祐子は必死に振りほどこうとしていたが遼子の方が身体も大きく力も強いのでされるがままになっていた。「やっ・・・止めて青山さん・・・ダメ・・・ みんなが見てるのに・・・」「だから良いんじやない!!」もともと、どSの遼子は、嫌がる祐子の様子を見て調子に乗ったらしく更に激しくせめる。「・・・前から思ってたんだけど、上原ってイジメたくなるタイプなのよね・・・ 可愛い・・・」「も、もうやめて!!触らないで!! 恥ずかしい・・・やだっ・・・」祐子の胸を揉みまくった遼子はスカートの中にまで手を入れよとしていた。祐子は涙目になり真っ赤な顔で俺を見つめるその表情はあきらかに助けを求めていた。俺は遼子が祐子をいじめたくなる気持ちが分からないでもない。祐子の嫌がり方とか怒った仕草は妙に可愛くて悪戯心をくすぐるのだ。だが、だからと言って遼子の好きにさせておく必要はまったく無いので俺は祐子の手をつかむと自分の方に引っ張り寄せた。「いい加減にしろ!!エロ女!!」と怒る俺。「わははっ、その通りだね」と笑う直樹。「もう!! せっかく盛り上がって来てたのに!!感じ悪!!」と逆ギレの遼子。祐子は「あ・・・ありがと・・・」と礼を言うと、さっと俺の後ろに隠れた。それを見ていた遼子が「・・・何か、好きあってるって感じでいいわね・・・」と妙な関心をし、直樹に抱きつくと「ねえ直樹ぃー、あたしまた感じてきちゃったかも・・・もうちょっとウチにいなさいよ」と命令ともお願いともつかない態度で直樹を引き止めていた。そして俺たちの方を見て「ねぇ・・・今から4Pしない!?」などと言い出したので俺と祐子は顔を見合わせて頷くと慌てて青山邸を後にした。俺は遼子と直樹がエロエロバカップルだと再認識させられたが、ふたりの熱々ぶりと全てをさらけ出してお互いに認め合っているという部分は羨ましいなと思った。帰り道、祐子は俺を駅まで送ってくれたが別れ際に、心配そうな表情で「明日・・・本当に・・・待ってていいの?」と聞いてきたので俺は「うん!!待ってて!!」と答えた。その後、祐子は照れた表情で俺が改札をくぐるまで見送ってくれた。翌日、俺は一晩考え抜いた告白のセリフを胸に登校した。すると、いつもは俺より早く登校しているはずの祐子が校門の前に立っていたのでてっきり告白が待ちきれなくて迎えに来たのだと思った。可愛い所があるな、などと内心喜んでいたのだが俺の妄想とは違って祐子は俺を見つけると駆け寄ってきて必死な顔で「どうしよう・・・どうしよう」と繰り返すばかりだった。真っ青で混乱状態の祐子は「・・・あの・・・だから・・・青山さんが・・・・だから・・・」と訳が分からない。仕方が無いので嫌な予感を感じながら彼女を伴って教室へ向かうとそこには人だかりが出来ていて、中心には、直樹の膝の上で得意げに話す遼子がいた。「青山さんが・・・昨日の事・・・全部しゃべっちゃったの・・・どうしよう・・・」泣きそうな声でやっと祐子が説明してくれた。クラスの一人が俺たちの存在に気付くと、続いて一斉に好奇の視線が向けられる。俺は何故か愛想笑いをし祐子は俺の後ろで固まった。「ごめーん!! あんたたち凄くいい雰囲気だったから、あたし感動しちゃって ついしゃべっちゃったー!!」と、悪びれた様子も無い遼子、その後ろで手を合わせて謝る直樹。・・・このバカップルのせいで、俺と祐子はクラス公認の仲になり、一週間以上話題の中心だった。そのお陰で、休み時間のたびに質問攻めにあいからかわれ俺たちはトイレに逃げ込まなければならなかった。しかもこの騒ぎのせいで、一晩考えた告白のセリフは日の目を見ないまま現在に至る・・・そして俺と祐子は、いつの間にかバカップル2号と呼ばれるようになっていた。